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上司から送辞の言葉[仕事]

2007-05-01

金曜日の送別会でのお手紙をテキストで貰った。
名前の部分を伏字にして全文掲載〜。

褒めてるんだか貶してるんだかわからん文章だよな。

佐々木さんへ

約3年半のお勤めご苦労様でした。またありがとうございました。
貴方がこの組合に入った経緯はやはり貴方らしいものでしたね。
たまたま組合員になるため訪れた面接官が***さんで、
誘われるまま入社してしまったとの事。
貴方の見る眼のなさに悲しくなります。
またその面接官が天敵となるにいたっては、
「運のつき」っていうしかないものでしたね。

さて、貴方は優秀なエンジニアでありバイオリン引きであると共に、
なんちゃってガストロノームですよね。
その旺盛な才能をもてあまし、ちょくちょく暴走し、
暴言を吐きまくることもありました。
ある時はピーターパン、ある時は哲学者、ある時はエンジニア、
またある時は演奏家とさえ見える時もありました。
しかし、土台が土台だけに、タキシードが完全に似合っていませんでした。
そういう貴方を表現するには奇人という言葉が最も相応しいように思います。

日本では古来よりヒーロー・イコール奇人という構造的原則があります。
「忠誠なる反逆者」「正統なる異端」という格式を持ったヒーローは、
古く有名なところでは一休さん。
この人は非常な奇人として有名で伝説の中までその女色をうたわれています。
しかし彼は天皇のご落胤で、しかも禅宗の名僧でありバランスがありました。
新しいところでは永井荷風の奇人は特に有名です。
我々はみんな奇人が好きです。
なぜかというと、根本的にナポレオンみたいな戦闘的な人には
支配されたいとは思わず、常識人に支配されたいと願います。
しかしそれでは退屈であまりに面白くないので、
本心では常識人に支配されたいけど、その人が支配しない限りにおいて
奇人を尊重し、奇人を面白がるというところがあるのです。
その意味で佐々木さんは余りにローカルに過ぎますが、
現代日本奇人100選の資格は充分だと思います。

どの角度からみても、サラリーマンとは見えない貴方。
朝はわざと10分遅れで出勤、フラッと散歩、
お買い物大好き、ゆるい靴を履き手のひらひらひら、
何かを真剣に考えている時は頭くしゃくしゃ。
本当に分かりやすい愛すべき人物です。
いつも、あのA利君が心配しています。
「佐々木さん本当に生きていけるの?大丈夫なの?」って。

仕事の話をしますと、話のかみ合わないことが間々ありました。
頭のいい貴方はその問題の先の先のその又ずーっと先まで見通して、
話をしているのでしょうが、凡人の私にはよく理解できないことも
多くありました。
余りに理解が遅い場合、凶暴なもう一人の貴方が暴言をはきます、
凶暴になることもしばしば、しかしその謎めいた風体と、
摩訶不思議な話術でなんだかその場は収まっていまうのですが、
貴方にストレスがたまっているのが目に見えるようでした。
だって、2年前と比べて最近は、頭よりアゴヒゲの方が
フサフサトしているようみえてきました。

今後、持て余しぎみだった貴方のその能力でご活躍され、
私もいつか宮古島のグラスボートを操りながら、
「アー、あの有名な佐々木さん、良く知ってるサー。
一緒に仕事をしていたコトアルヨ」と沖縄弁?で東京もんに
自慢できる日が来ることを信じています。
最後に心配は、あの美しい奥様に捨てられないよう祈るばかりです。
今度はどんな場面で合えるのか楽しみです。お元気で。

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